OEMのポイント
OEM POINTS
OEMのメリット、デメリット
OEM発注のメリット・デメリットを知り尽くす!
委託側の視点で徹底解説
MERIT AND DEMERIT
「自社でOEMを導入しようか迷っている」
「自社製造かOEMかを決めるポイントを知りたい」
そんな開発担当者の方も多いのではないでしょうか?
本記事では、OEMを委託する側の視点からOEMのメリット・デメリットについて解説します。OEMの導入に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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OEM委託のメリットとは?
「OEM(オーイーエム)」は、世界的な企業から個人の雑貨販売まで、多様なビジネスで活用されている便利なシステムです。本章では、OEMを利用する委託企業の目線から、OEMの活用で得られる5つのメリットについて詳しく解説します。
1本業に専念できる
自社で商品を製造する場合、設備や人員を整え、ノルマに沿った製造体制を構築する必要があります。また、設備運用に関するマニュアルや進捗の確認、運用に関する定期的な調整も必要になるでしょう。これらの作業に費やす時間や手間は、社員の本来の業務を圧迫し、企業にとってより重要な、企画やマーケティング、顧客のフォローなどが後回しになる可能性があります。
特に、ECを主戦場にしている事業者は、マーケティングや顧客対応へのスピード感が売上やブランドイメージに直結します。OEMを導入し、商品の製造に関わる工程のすべてを受注業者に一任することで、自社にとって重要な業務に専念できるようになるでしょう。
2在庫リスクを抑えられる
自社工場で製造する場合、通常は一定以上の量を製造することで、商品1点あたりの製造コストを下げようとします。しかし、新商品の場合、顧客のニーズや販売ペースが読みきれないことも多く、大量に製造してしまうことで、在庫を抱えるリスクも大きくなるでしょう。
OEMメーカーであれば、多くの企業が、小ロットからの製造に対応しています。顧客ニーズを読みながら製造量を徐々に増やしていくことができるため、在庫リスクが最小限に抑えられるでしょう。また、多品種、少量を販売したい事業者にとっても、製造量をコントロールしやすいのが魅力です。
3新商品を開発しやすい
新商品を自社で製造しようとすると、商品の仕様や設計に合わせた設備投資や従業員へのオペレーション、製造スケジュールの設定が必要です。既存の設備やマニュアルを使いまわせない場合は、膨大なコストが発生することもあるでしょう。
一方、OEMであれば、こうした投資や準備を行う必要がなく、仕様書や図面をOEMメーカーに渡すだけで新商品の製造が可能です。コンスタントに新商品をリリースする企業や、商品の仕様をたびたびアップデートする企業は、OEMを活用することで自社のコストやリソースを抑えられるでしょう。
4商品からパッケージまで一括依頼できる
OEMメーカーによっては、商品そのものはもちろん、商品の容器やパッケージまでワンストップでの委託が可能性です。商品とパッケージを同時に発注することで、商品コンセプトの一貫性を保ちやすく、発注にかけるリソースも最小限になるでしょう。
また、パッケージの製造には商品とは別の設備や人員が必要ですが、OEMを選択することで、新たに発生するコストやリソースも抑えることができます。
5自社では製造できない商品を開発できる
OEMには、技術力を持つ企業同士が協業し、商品の開発・製造を行う「水平的分業」と呼ばれるパターンがあります。水平的分業では、委託企業が持たない技術やノウハウ、設備を受注企業が提供し、商品を完成させるため、通常、自社だけでは製造できない商品の開発が可能です。
水平的分業が行われている例として、自動車ブランドのダイハツとトヨタ、化粧品ブランドのカネボウとポーラなどが挙げられます。
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OEM委託のデメリット
これまで解説したように、OEMの委託には、多くのメリットがあります。一方で、自社が何を重視するのかによって、メリットがデメリットに転じてしまうこともあり得ます。本章では、委託企業の目線から、OEMがデメリットになるパターンについて解説します。
1メーカーに製造ノウハウを依存してしまう
OEMでは、メーカーも製造を委託し続けることで、製造に関する知識や技術が他社に蓄積され、自社はノウハウを得る機会を失ってしまいます。
長期的に商品を作り続ける場合、1からノウハウを積み上げることで、自社商品のことを知り、改善や新商品の開発にも役立てることが可能です。また、自社にとって重要な技術力を磨き続けることで、ブランド力の向上がはかれるでしょう。
2OEMメーカーが競合化する可能性がある
製造を発注する際は、自社の企画や開発・設計技術をメーカーに共有する必要があります。これにより、自社独自のノウハウがメーカーに伝わり、もともとは製造技術しか持たないメーカーが、自社の企画や商品使用を一部変更して商品化するなど、競合に変わる可能性があります。
このような事態を防ぐために、OEMを導入する際は、技術力や設備、コストだけでなく、パートナーとして信頼関係を構築できる企業を慎重に選ぶことが大切です。
3原価が値上がりすると自社の粗利が減る
原材料が高騰した際、自社商品であれば、市場を見ながら仕入れを調整したり、人件費をカットしたりすることで、ある程度原価を調整できます。しかし、OEMでは商品の原価に介入できず、常に一定の費用を支払い続けることになるでしょう。そのため、原価が値上がりすると、自社の粗利が減少するのを避けられません。
OEMを導入する際はこのようなケースがあることも想定し、契約時の利益率だけでなく、総合的な要素でメーカーを選定しましょう。
4小ロットの発注は割高になる
小ロットから商品を製造できるのはOEMのメリットと言える一方、ロット数が少ないほど、発注コストは割高になります。
一方、自社で製造する場合、設備投資などの初期費用は必要ですが、仕入れや人件費でのコストコントロールができ、小ロットでもコストを抑えられる可能性があります。
商品の製造期間や初期費用などを踏まえて、自社にとってどちらのメリットが大きいのかを慎重に検討しましょう。
5商品のリリースまで時間がかかる
OEMはメーカーとのやりとりにどうしても時間が取られます。とくに、商品情報の共有や見積もり、サンプルの作成や調整は、自社の意思を伝えるのに苦労するケースが多く、慎重に進めなければいけないフェーズでもあるため、社内での開発、製造よりも多くの時間とリソースを使うことを想定しておきましょう。
結果的に商品の販売が予定よりも遅くなることがあるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが大切です。
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【まとめ】あらゆる状況を想定してOEM導入を検討しよう!
OEMの導入には、企業が本来集中すべき商品開発やマーケティングに専念できる点や、在庫リスクを抑えられる点、新商品を開発しやすい点など、委託側にとってさまざまなメリットがあります。一方で、長期的に製造を依存してしまうことで、自社がノウハウを得る機会を失ったり、メーカー側に企画・開発ノウハウが流出し、競合化してしまうケースもあるでしょう。また、原価が高騰した場合は、自社が得られる粗利が減少することも、理解しておかなければなりません。
OEMの導入を決断するには、こうしたメリット・デメリットを正しく理解した上で、自社の一歩先の状況をイメージし、メーカーを選定する必要があります。
OEMパートナーは、雑貨や生活用品を中心としたOEMやODMをご提供しています。豊富な実績とノウハウで、安心してオリジナル商品の製造をお任せいただけるほか、納期やご予算に応じた柔軟なご対応も可能です。また、ビジネスパートナーとしての信頼度も高く、これまでに多くの企業様と良好な関係を維持しています。
OEMの導入や、メーカー選びにお悩みの担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。