国内OEMの方法
DOMESTIC OEM METHOD
中国OEMと国内OEMの違いをおさらい!
国内委託に向いている商品とは?
「国内OEMと中国OEM、自社の商品ならどちらを選べばいいんだろう?」
「中国OEMが安いというけれど、コスト以外はどうなのか知りたい」
そんなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?
近年、コスト面から中国OEMを検討する企業は増えています。一方で、国内OEMには国内OEMならではの良さがあり、中国OEMとは異なるカテゴリーの商品に向いています。
本記事では、国内OEMに向いている商品のポイントと具体例のほか、国内OEMと中国OEMの違いやOEMを選択する際に検討したいポイントを紹介します。国内、中国、どちらでOEMを委託しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
国内OEMと中国OEMの違いとは?
国内OEMと中国OEMは、それぞれにメリット・デメリットがあります。自社の商品開発の目的や商品のジャンル、こだわりによって、国内のメーカーに委託すべきか、海外メーカーに委託すべきかを検討しましょう。本章では、国内OEMと中国OEMのメリット・デメリットを比較、解説します。
1コスト
コストを比較する際に考えるポイントには、人件費と原材料費の2つがあります。人件費は、国内の工場に比べ、中国の工場のほうが安く抑えられます。また、中国の物価は近年上昇しており、原材料費も高騰していますが、日本国内で製造した場合にかかる原材料費よりは割安です。さらに、中国のOEMメーカーであっても、国外の工場に再委託している場合はよりコストを抑えられる可能性があります。
2品質
かつて国内外の製造業のイメージは、「中国製は品質が低く、日本製は品質が高い」というものでした。しかし近年、中国製の商品の品質は格段に向上しており、品質管理においても日本と同等のレベルで行われるようになりました。そのため、中国OEMで仕入れた商品は、かかるコストに対して品質が高く、コストパフォーマンスに優れています。一方で、日本製品の良さは安定した品質に加え、「メイド・イン・ジャパン」のブランド力であると言えます。また、技術力を持つメーカーが多く、難しい仕様も可能で、高品質に仕上げられます。
3コミュニケーション
中国OEMでは、言語や文化の違いによるリスクがつきものです。商品の仕様について微妙なニュアンスを伝えたり、価格の交渉をしたりする場合は、通訳や仲介業者を手配する必要があるでしょう。当然、メーカーとのやりとりに通訳を通すことで、コミュニケーションにタイムロスが発生します。その点、国内のメーカーであればタイムロスのないコミュニケーションでビジネスをスムーズに進められるでしょう。
国内OEM | 中国OEM | ||
---|---|---|---|
1 | コスト | △ | 〇 |
2 | 品質 | 〇 | 〇 |
3 | コミュニケーション | 〇 | △ |
OEMを選択する際に考えるべき3つのポイント
国内OEMと中国OEMの違いを理解した上で、どちらがいいか決めかねている時は、候補に挙げたメーカーを具体的に比較し、どのメーカーが自社に合うかを検討しましょう。検討するポイントは、以下の3点です。
1得意な商品は何か
同じ「雑貨」のメーカーであっても、トートバッグなどの布製品を中心としたファッション雑貨が得意なメーカー、陶器やプラスチック製品が多いキッチン雑貨が得意なメーカー、文房具が得意なメーカー、おもちゃが得意なメーカーなど、得意な商品が異なるはずです。候補に挙げたメーカーが、どんな商品を得意としているのかを、制作実績やサンプルなどから確認しておきましょう。
2最低ロット数は販売計画に合うか
最初の発注でどれくらいの数を製造するのかは、その後の販売計画を立てる上で非常に重要なポイントです。商品の売れ行きを見るためにも、柔軟に製造数を調整できるメーカーに越したことはないでしょう。そこで確認しておきたいのが、工場の最低ロット数です。なお、中国OEMメーカーの最低ロット数は1,000程度であるケースが多いと言われています。これは日本のOEMの一般的な最低ロット数よりも多いと言われています。
3パートナーとしての関係性を築けるか
OEMは生産委託であり、メーカーが下請けに近い立場の垂直的分業です。しかし、たんなる「発注元」「発注先」の関係ではなく、自社ブランドの製造を任せるパートナーとして、技術的な提案を得たり、改善について話し合える関係性を構築することで、よりよい製品作りが可能です。委託先を比較する際は、メーカーが自社のパートナーとして長期的な関係性を築けるかどうかを見極めましょう。
国内OEMに向いている商品のポイント
OEMでは、国内か、国外かによって、最適な商品が異なります。国内OEMが得意とする商品や、中国OEMに向かない商品を知ることで、自社がどちらを選ぶべきかのヒントにしてみてはいかがでしょうか?
1
高単価な商品
国内OEMは、中国OEMと比較し原価が高くなるぶん、単価の高い商品に向いています。しかし、中国OEMと似た商品を高単価で販売しても、価格優位性に勝てません。「メイドインジャパン」の信頼性のアピールや、自社のブランドの付加、国内OEMならではの技術でプラスアルファの機能をつけるなど、開発・販売の各フェーズで高価格に見合うよう差別化しましょう。
2
特殊な技術が必要な商品
ブランドのイメージを具現化するには、特殊な仕上げや製法が必要になることがあります。こうした要望は高い技術力を持つ日本の工場の方が実現しやすいため、国内OEMが向いているでしょう。
3
輸入販売のハードルが高い商品
作りたい商品によっては、輸入販売が難しいケースがあります。たとえば、コンセントのついた電気用品は「電気用品安全法」の対象となり、海外で製造して国内へ輸入するには複雑な手続きが必要です※1。中国OEMにより製造された電気用品の多くは、コンセントではなくUSBを使用する物が多いのは、こうした事情があるためです。こうした「特定の商品の海外輸入規制に関わる法律」にはほかにも以下のような物があります。
電波法※2:技適マークのついていないBluetooth機器の輸入を規制
医薬品医療機器等法(薬機法)※3:厚生労働大臣の製造販売業または製造業の許可や登録を受けた者以外の化粧品や医療機器などの輸入を規制
【参考】
※1「電気用品安全法 法令業務実施手引書(2023年10月1日)」経済産業省製品安全課
※2「技適マークのQ&A」総務省電波利用ホームページ
※3「1805 医薬品医療機器等法に基づく輸入規制の税関における確認内容(カスタムスアンサー)」税関
国内OEMに向いている商品の具体例
上記、国内OEMに向いている商品の条件を検討すると、以下のような物が挙げられます。
1 | IP・キャラクターグッズ | IP・キャラクターグッズは、製品の価値にコンテンツの価値がプラスされる商品と言えます。そのため、高単価でも販売しやすく、単価の高い国内OEMでも十分な利益を生む可能性があります。 |
---|---|---|
2 | アパレル・ファッション雑貨 | 高品質な生地や高い技術力を生かした織物やトートバッグなどの布製品は、国内OEMの技術力を生かし「メイド・イン・ジャパン」ブランドをアピールするのに最適です。 |
3 | 家電・デジタルガジェット | 電波法の観点から、自由な商品開発が難しい家電やデジタルガジェットにおいては、国内OEMの方が有利です。国内の電気製品メーカーであれば、コンセント付商品の開発・製造にも慣れており、安心して委託できるでしょう。 |
4 | 美容・健康食品 | 薬機法の観点から、コスメや健康食品などの開発・生産は国内OEMの方が有利です。また、肌に使用する商品や体に取り入れるものは「国産原材料」をブランドにしやすいため、原材料調達の観点からも国内OEMが有利です。 |
【まとめ】国内OEMは、品質やブランド力をアピールできる商品におすすめ!
国内OEMと中国OEMには、それぞれにメリット・デメリットがあります。「自社がどのような商品を作りたいか」、「予算や納期をどのように設定しているか」など、さまざまな視点から自社の商品をどこで製造するべきかを検討しましょう。
国内OEMの場合は、単価が高い商品や技術力をアピールできる商品、輸入するにはハードルが高い商品が向いています。該当する、「IP・キャラクターグッズ」「アパレル・ファッション雑貨」「家電・デジタルガジェット」「美容・健康食品」などの商品を検討しているのであれば、ぜひ国内OEMを検討してみてはいかがでしょうか?
OEMパートナーは、キャラクターグッズやファッションアイテム、デジタルガジェットなどの雑貨を中心とした、多様な商品のOEMやODMを提供しています。商品の企画・開発からデザイン、製造まで、ワンストップでのサポートを提供できるほか、ビジネスパートナーとしての信頼度も高く、はじめてのOEM・ODM導入でも安心して委託していただけます。OEM・ODMの導入でお悩みの担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。